今日も案の定、筋トレをした後は、暇だったので、「波のうえの魔術師」という本の文庫本を読みました。

前回の直木賞をとった石田衣良は、前々から秋葉原をネタにした小説を書いてみたりとちょっと気になっていたので、手頃なサイズの文庫を見つけて読んでみました。
たぶん、世の奥様方にはワイドのコメンテータしてる方が有名かもしれませんが、この本読んでちょっとコメンテータしてる理由もわかりました。

ストーリー的には、市場の株取引の達人の老人からフリータの若者がレクチャーを受け、株取引の世界にはまっていくという話なんですが、この人の経済というものの捉え方がおれと同じだったので、まずびっくりしました。

日経新聞のCMで「あれもこれもみーんな経済」というキャッチフレーズがありましたが、あの言葉は正確には、「あれもこれもみーんな経済ということにしようよ」というニュアンスなんだと思います。経済という枠組みがどのように社会に組み込まれているかを理解するにはもってこいの本です。かなり一から教えてくれます。

この中で印象的だった言葉といえば、主人公にたいして彼女がいった、

「わたしはこんな台詞、くだらないテレビドラマだけだとおもってた。でもいうよ。わたしを取るか、マーケットを取るかはっきりしてほしいの」

という台詞です。こんな陳腐な台詞を確信犯的に使い回しているあたりが、たぶんこの人の小説の本質に近いのかなと思いました。乱暴な話にすれば、こういう表現を小説内で使うか使わないかというのはかなり小説において大きな要素なのです。(俺の中では)

あと、株取引の入門書的な意味では、おそらく最高かつ最悪なものなので、興味のある人は読んでみるといいかもしれません。

---

あと、一応参考までに、俺がいつも見てる経済に関係のあるblogといえば、

田中宇の国際情勢ウェブログ http://tanakanews.com/blog/
週間!木村剛 http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/

とかでしょうか。
ニュースサイトは有名どころを読んでるだけですが、上の二つはおすすめです。

コメント